私たちは、リアルタイムシミュレーションプラットフォームの次なる進化形である新しいXpack4を発表できることを大変嬉しく思います。Xpack4は、複雑化する車両開発およびテストのニーズに対応するために設計された、将来を見据えたソリューションです。
Xpack4の中核には、完全に再設計されたアーキテクチャがあり、新たに強化されたバックプレーンを搭載しています。これはCompactPCI Serial規格に基づいています。高性能なXeonベースの8コアシングルボードコンピュータ(SC9)用のシステムスロットと2つのペリフェラルスロットがこの規格に準拠しています。さらに、5つの従来型CompactPCIスロットも利用可能です。SC9のコンピュータコアは、CarMaker製品ファミリーによってますますサポートされる並列処理の基盤となります。この処理性能の飛躍(シングルコア速度が最大1.8倍向上)と並列化能力により、マルチタイヤシミュレーションや先進運転支援システムなどの高精度モデルを効率的に実行することが可能です。
新しいXpack4に加え、さらなるイノベーションとして強化型リアルタイムPCも登場しました。これは、複雑なモデリング計算など極めて高い計算負荷が求められるアプリケーション向けに導入されたもので、サーバーテクノロジーを基盤とした12コアのコンピューティングプラットフォームです。専用ブリッジカードによる拡張によりXpack4との接続が可能となり、高い計算能力と精密なIOインターフェースの特性を1つのシステムで両立します。この設計は帯域幅を拡張し、モジュラー拡張(例: MACsec対応Automotive Ethernet)を可能にし、強化型リアルタイムPCとのシームレスな連携を実現します。
主な利点
- 並列モデル実行のためのCPUコア数増加
- 複雑なIO処理に対応するための帯域幅拡大
- 以前のシステムと同じ寸法のコンパクト設計
- データ駆動型およびシナリオベーステストのための堅牢な基盤
新しいXpack4のハイブリッドバージョンは、単なるハードウェアのアップデートにとどまらず、次世代の車両開発およびテストに向けた、モジュラー型・高帯域幅・高性能リアルタイムシステムへの本質的な進化です。
