OPEN HOUSE
JAPAN

2025.09.26 | Tokyo

Recap of Open House Japan 2025

2025年9月26日、Open House Japanが東京にて盛大に開催されました。自動運転車両の開発環境や産官学の連携によるシミュレーション基盤の取り組み状況の共有、CarMakerの具体的な活用事例や今後の展望などが紹介されました。

本ページでは、当日の講演の要旨と主要トピック、来場者の関心が高かったポイントをダイジェストでお届けします

IPG Automotive GmbHのSenior Vice President Development & CTO、Dr. Andreas Höferがオープニングスピーチを行い、開幕しました。スピーチでは、自動車業界がSDV(ソフトウェア定義車両)化によって直面するソフトウェアの複雑化やコスト増大などの課題に触れ、従来のハードウェア中心のテスト手法では対応が難しいこと、今後はソフトウェア主導のエンドツーエンドな仮想テスト戦略が重要であることが強調されました。さらに、IPG Automotiveはお客様と共に継続的なバーチャル開発と検証を進め、SDV化による複雑性に柔軟に対応し、業界変革を支えていく姿勢を示しました。

各講演のご紹介

特別講演:安全・自由な移動を実現するHonda知能化モビリティとそれを支える開発環境

本田技術研究所の安井氏により、Hondaの「交通事故ゼロ」「ストレスフリー」な社会を目指す2030 Visionや、協調人工知能(CI)を活用した知能化モビリティの開発についてご紹介いただきました。CIによる自動運転・運転支援やマイクロモビリティ「CiKoMa」など、多様な移動ニーズに対応する技術、また、CarMakerを活用したシミュレーションによる効率的な検証や、実データを活用した多様な交通シーンの再現・評価を実施された開発事例も共有いただきました。

IPG Automotive講演 1:車両開発およびテストのための包括的ソリューション

IPG AutomotiveのCTO Dr. Andreas Höferが、CarMaker製品ファミリの最新機能として、雨や雪など多様な天候条件のリアルな再現や、グラウンドトゥルースセンサによる高精度なデータ取得、4Dレーダによる高精度な物体追跡など、実車に近いシミュレーション環境について紹介し、さらに、開発現場の多様なニーズに応える今後の追加予定機能についても言及しました。

特別講演: 電動・自動運転車シミュレーション基盤取組状況

日本自動車研究所(JARI)の高山氏が、NEDOグリーンイノベーション基金事業のもと、車両全体の挙動を高精度で再現できる標準モデルや、部品ごとのモデル化・計測手法を開発していること、またJARIテストコースのデジタルマップや実交通流データを活用したシナリオ再現、CarMakerやMATLAB、Autowareとの連携による自動運転アルゴリズムの検証、またそれによる業界横断での開発効率化と標準化への期待について言及されました。

IPG Automotive講演 2:ワランティーコストを削減する迅速なソフトウェア検証

IPG AutomotiveのMichael Kochemが車載ソフトウェアの複雑化によるワランティーコスト増大への対策として、迅速なソフトウェア検証ワークフローを紹介。CarMakerのバーチャル車両を活用し、vECU、Rapid HIL、VIL V&Vの3段階を統合したCI/CDパイプラインにより、全てのソフトウェア変更を数時間で自動テストし、バグの早期発見・修正と品質向上、コスト削減を実現するソリューションを紹介しました。

IPG Automotive講演 3:Euro NCAP 2026対応バーチャルテスト「UTAC Scoring Set Europe」

IPG AutomotiveのCharles Miquetが、Euro NCAP 2026プロトコルに対応した新しいバーチャルテストソリューション「UTAC Scoring Set Europe 2026」を紹介。IPG Automotiveが、OEMが今後膨大なテストバリエーションに効率的に対応し、開発コストや工数を削減しつつ、早期にNCAPスコアを把握できるよう、バーチャル認証の信頼性向上と業界の安全基準強化に貢献していくことを強調しました。

IPG Automotive講演4:仮想開発ワークフローのスケーリング

IPG AutomotiveのMichael Kochemが、誰もが簡単に利用できるシミュレーション環境の構築や、データ・バーチャルプロトタイプの一元管理、クラウドベースでのアクセス、バージョン管理によるトレーサビリティ向上など、効率的な仮想開発ワークフローの実現方法をVIRTOのデモを交えて紹介。さらに、アジアやドイツの自動車メーカーでの導入事例を通じて、クロスドメインでのコラボレーションや自動化による開発効率向上、モデル品質の標準化などの効果が示されました。

展示&懇親会

パートナー企業(富士ソフト、日本シノプシス、東陽テクニカ)様によるCarMakerの事例紹介を含むご講演、10社のパートナー企業(富士ソフト、堀場製作所、キーサイト・テクノロジー、MathWorks、小野測器、ローデ・シュワルツ・ジャパン、エスディーテック、日本シノプシス、東陽テクニカ、tracetronic)と弊社によるデモ展示もあり、食事と飲み物を楽しみながらの、最新のテクノロジーやソリューションに触れる機会となり、また充実した情報共有の場にもなりました。